1982年「蒼」
 とても思い出深い木彫だが、きちんと写真を撮ったことがなかった。
 昔は全作品を写真に撮ってファイルしておくという考えなど特に浮かばなかったから、この「蒼」で
全体像が写っている写真と言うと、この位しか残っていない。
これは長女が3才位の時だろうと思う。
下に弟が生まれ、母乳で育った長女は弟におっぱいをとられてしまった。
そんな時、部屋の隅においてあったのがこの木彫である。
ちょうど良いかたちであった。
木彫に抱っこして乳首をすすっている。
この写真をみていると、何とも複雑な気持ちが湧いてくる。
木のおっぱいをすすっていた長女は、今、6か月の自分の長男を母乳育児中である。
不思議な気持ちである。
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